整備日誌    2001年8月編


2001年8月3日
上記ICKW氏のバイクを預かった際にまた面白いこと(324KB)をやってみました。


2001年8月4日
今発売されているMTBワールドVol.19にロックショックスサイロSLの分解記事が載っています。写真及び文章を読むと簡単そうですが、一番面倒なコンプレッションアセンブリー挿入&オイル注入&エア抜きの項目が書かれていません。これをやるにはそれなりの特殊工具?が必要になってきます。そのことは全く文中には書かれていないので、察するにバラした後「げー、どうしよう....ま、とりあえずできる範囲だけやって写真撮って編集しちゃいましょう」といういきさつになったと思われる。で、組み立てられなかったフォークはロックショックスの扱い元もしくは整備できるお店に持っていったと思われる。
だいたい25時間程度の乗車ではあそこまで整備しろとは説明書には書かれていないし、ピュアダンピングシステムの分解組立については取扱説明書には書かれておりません。一番面倒なところが書かれていないのでちょっと無責任な編集だなと思いました。
以上全くもって推測です。
さて、当店の試乗車君でも面白いこと(262KB)をやってみました。


2001年8月19日
お客様から「漕いでいるとガタガタする、そしてたまに妙に重くなる」とのことで修理することになりました。後輪ハブ軸にガタがあったのでこれが原因と考えました。しかしなぜガタが生じたか?と考えると、ロックナットが緩んだかベアリングが偏摩耗したかと推測されます。ま、ときたま重くなるとのことなのでベアリングの偏摩耗と思われ、バラしてみたらやはりベアリングがジャガイモ状になっていました。
で、思い出したのですが、よく「ベアリングを売ってくれ」と言われます。ベアリングが必要になると言うことは、ベアリングに異常が認められたから交換したいということでしょうが、実はベアリングの玉だけ交換してもあまり良い結果は得られません。と言うのも、ベアリングを替えてもその受け側である玉押しや玉受けを交換しないからです。気の利いた方なら玉押しも注文されますが、これを交換してももう一方の受け側はハブ軸です。ハブを交換、すなわちホイールの組み直しをしなければ新車の状態には戻りません。
でも、そこはちゃんと考えられていてベアリングの玉の硬度より玉受けの硬度は高いので、玉受けは摩耗しづらくはなっていますので、最悪時以外はベアリングと玉押し交換でもよいでしょう。
さて、今回のケースは意外や致命傷だったのはベアリングだけで、玉受けは全く問題なし、玉押しも、まー何とかOKという状態でした。
というわけでベアリングだけ交換したら今回の場合は直ってしまいました。ま、その後BBにも異常が認められたのでこちらも分解調整が必要だったのですが。


2001年8月24日
HSMT氏がフロントフォークを交換するということでフォークを外し、ヘッドパーツを見ると....ヘッドーパーツその1
(^^; 割れてます。
機種はDHバイク。使用年数1シーズン半。ヘッドパーツはコスト優先で選んだ物です。それ故ヘッドパーツを開けたときには玉あたり不良でヘッドパーツ交換になるのは予想していたのですが、意外や割れちゃっていました。上ワン2カ所、上玉押しは3カ所クラックが入っています。
う〜ん、割れるとは思ってもみなかった....
それにしてもここ最近(と言うわけでもないけど)この手の不具合が多いです。で、豊富な?不具合事例を見てきたから断言します。
ダブルクラウンフォークはヘッドパイプ及びヘッドパーツに与えるストレスが非常に大きいと言えます。特に上側。ヘッドパーツその2
今回のケースはバラすまでもなく外からよーくチェックすればわかり得たことでした。
というわけでダブルクラウンフォークをご使用の皆さん、ヘッドパーツ周辺、特に上側を今一度よ〜くチェックしてみてください。
早期発見早期治療です。人間の体と違ってほっておいて直ることはありません。不具合を発見したら他の部分に悪影響を及ぼさないうちに直しておきましょう。


2001年8月27日
MOBSオイル90本後整備日誌の初めにあるFKSM氏のMOBSをまたしても開けることになった。特に不具合が出たわけではなく、既に富士見を90本くらい(8割Aコース、2割Bコースくらいかな?)は走ったから、オイル交換してとのことだったのでせっかくだからオーバーホールしました。
で、左写真のようなオイルが出てきました。やはりオイルはガンメタ色になっちゃっています。左右とも。バラした結果内部に損傷等はなく良好でした。
というわけで、頻繁なオーバーホールが必要というわけではありませんが、オイル交換はちょくちょくやった方が良いようです。
なお、MONSTER TユーザーのKRD氏が油面調整のためにフォークオイルをちょっと抜いたとのことで、その時のオイルの色はきれいだったとのことでした。Aコースを主体に3〜40本くらい?走ったフォークでのことです。

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