整備日誌 2002年3月編
2002年3月17日
別に仕事がなかったわけではないのですが、昨年12月からずーっとお休み状態になっていました。久々に整備日誌更新です。でも本来これは2月に書くべき日誌です。(^^;
さて、今回のネタは15万キロ走破で驚かせてくれたNZW氏のバイク。フロントフォークを交換して非常に快適とのことですが、コギを入れると「バキンバキン」とイヤな音が。「バキッ」とか「ピキピキ」とかそんな生やさしい音ではありません。歩いている人が振り返るほどのでかい音です。当初NZW氏からはBB交換をお願いされていたのですが、個人的にはそれだけではなさそうなイヤな予感がしました。とりあえず自転車をお預かりしてまずは外観をよーくよ〜くチェック。外観ではクラック等の異変は認められませんでした。しかし安心はできません。と言うのも....
以前ある方の自転車でやはり異音がするとのことで各部を丹念に調べました。外観はまったく問題なし。きっとどこかのパーツが原因と考え外せるパーツは全て外し、クリーニング後再組み付け。しかし異音は消えず最終的には「この音はフレームとしか考えられない」と言うことになりました。お客様はどうにもこの音が気になると言うことで結局フレーム交換。そうしたらきれいさっぱり音は消えました。フレーム外観には異常が認められなくても内側から問題があったと言うことです。
このようなことがあったので不安ではあったのですがまずはBBを外します。まあ、案の定というかそれなりに汚れてはいます。それでもまだ私フレームを疑っております。BBシェルの汚れをきれいにしフレーム内側を丹念にチェックしますが問題はありません。
外したBBも写真のようにそれなりに汚れてはいますが、驚くほどのことではありません。ひどい物になると茶色い水がドバーッと出てくることもありますし、錆でBBシェルがボロボロになっているような物も見かけますので。
とりあえずおニューのBBとそれに伴い新調したクランクを取り付けます。作業後早速試乗。
良かった、音が消えています。ホッと胸をなで下ろしました。だって大枚はたいてフロントフォーク交換したばかりです、これでフレームがNGなんてことになったらなんて言っていいのやら。
NZW氏の推測通りBBが原因だったようです。それにしてもとてもBBが原因とは思えないようなでかい音だったのでてっきりフレームかと思いNZW氏を焦らせてしまったのは大変申し訳ないことでした。m(_
_)m
2002年3月21日
ヘイズ油圧のマスターシリンダーです。AOK君が山の中で遊んでいたときに転倒落車、ブレーキレバーから木に当たってレバーに装着されているマスターシリンダーのロッドを折ってしまいました。こういうこともあるんですねー。
さて、ヘイズの油圧にはリザーバータンクがありません。いや、無くはないです。左写真の黒い部分がダイアフラムになっており、ここがリザーバータンクになっています。そう、レバーの中に内蔵されているのです。それ故にエア抜きとかが面倒だったりするわけなんですけど。
2002年3月23日
右の写真はスペシャライズドP.3をヘッド上部から見た写真です。ヘッドチューブとトップチューブの接合面に一本筋が入っているのが見えるでしょうか?
P.3のフレームは一見トップチューブとダウンチューブがボックス状の部材に溶接され、それがヘッドチューブに溶接されているように見えますが、実はボックス状の部材の中にもちゃんとフレームが通っておりヘッドパイプまできています。四角断面ではなく日の字断面になっているのです。それだけちゃんと剛性を確保していると言うことです。
この構造はP.3だけではなく、S-WORK DHやちょとまえのFSR
PROやFSR ELITEもこのような構造になっています。しくみを知ると手の込んでいることがわかります。
2002年3月27日
左から RD-5500-SS、RD-7700-SS、RD-7700-GS。後日RD-M952-SGSも。
思いつくことがあってちょっとだけバラし始めました。寸法測ったりしてデータとって、指で押したりして、....ふむふむ、なるほどね。一人ほくそ笑むのであった。
しかしこうやってバラしていると、つくづくデュラエースとXTRは他グレードとは違うなーと思います。この両者は値段もさることながら、重量、外観、所有感が他グレードとは異なるのですが、バラせばバラすほど他グレードとの違いやお金のかけ方の違いがわかります。ディレイラーに限らず、デュラエースやXTRはできるけど他グレードではできないこととかもあるし。せっかくデュラエースとかXTR付けていてもバラしてその違いをわからずに使用している方ってなんかもったいないなーと思ったりします。でもばらさなくても人間の五感に訴える部分が違うからそれだけでも価値ありかな?値段なりきの物ですね。