整備日誌 2007年3月編
3月25日
さすがにXTRの話はもう今更というところもあるので、フェードアウトとします。まだ残しているのもあるけどね。
さて、我々が整備するにあたりマニュアルは必需品。ある程度は経験等によって対処できるけど、自転車屋だからといって、なんどかさわったことがあるからと言って、マニュアル無しでは完全な作業はできません。
しかしマニュアルがあるからと言ってなんでもできるというわけでもありません。マニュアルにはバラし方や組立て方は載っているけれど、トラブったときの対処法までは載っていません。ま、簡単なトラブル対処法なら載っているけれど、だいたいにおいて起きるトラブルってのは載っていないことだったりする。
先日もあるサスペンションで不具合(というか疑問点)があり、「どうしてこうなるんだろう?こうなること自体は問題ないのか?トラブルなのか?」と疑問がありました。そういうときはもちろんマニュアルを見るわけですが、知りたいことこそ載っていなかったりします。ので、色々考えます。こういう仕組みだからこうなるとこうなって…しかし”らち”があかないときには扱い元に聞いたりします。その商品固有のことについては私よりもっと深く知っているかもしれませんが、しかし彼らだって何でも知っているわけではありません。電話口で現象を伝え、「構造上こうなっているからこうなるとこうなって…」なんてね。
こういうときにはやはり経験と知識が物を言います。「これをこうするということは、ここがこうなって…と言うことはこういう物理的現象が起きて…」なんて順序立てて推理していくわけです。そうやって要因を一つずつ消していって真の原因を探しだしていくわけです。
今回の件につきましては担当のOIKW氏に大変お世話になりました。
氏はダウンヒルエリートライダーでトップクラスに入るテクニックをお持ちであると同時に、サスペンションに関し(のみならず)非常によくご理解されており大変頼りになる方であります。
商品に関しての性能とはこういうことも含まれるのだなと感じた次第であります。
情報開示さえもせず、ただ単に売るだけのようなところは是非とも見習っていただきたいと思います。