徒然日誌    2008年9月

9月17日(水)
もう新鮮みは薄れてしまったかもしれませんがスペシャライズドニューモデル試乗の続き。今度はMTB編

・S-WORKS EPIC CARBON
ブランニューとなったNEW EPIC。従来のEPIC(とは言えとてもいいバイクだと思います)より更に軽く、そしてマスの集中化が施されました。
そして専用フォーク、1.5"下玉押し、幅広BBなど、自転車とはバラバラに部品を集めて作り上げた集合体ではなく、一つのパッケージであるという2009スペシャライズドに見受けられる専用スペックで固められたモデル。\900,000也。
持って軽い!重量10Kgf切っているそうな。
乗ってもっと軽い!!
いやぁ、とにかく漕いで軽い。とても軽い。2008TREK TOP FUELより軽いかも??
自転車が軽いと乗っているのがとても楽しくなりますね。グイグイ加速するし、ちょっとハンドルを引けば簡単にフロントが浮く浮く。
富士見のクロカンコースを登っていたら、外人のおっさんがニュースペシャライズドに乗ってやってきた。どうやらコースをガイドしてくれるようだ。
それにしてもこのオッサン、とても細くいかにも登りそうな足をしている。もしや?と思ってもメットにサングラスじゃ顔はイマイチ判別しづらいし、トレードマーク?のほっぺのあざも見あたらない。
恐る恐る「Excuse me, Are you Mr.NED OVEREND?」と尋ねてみると、「YES」とのお返事が。
おー、ネッドオーバーエンドだ。アルカンシェルも取ったネッドだ!ネッドと走れるなんて!!
ちょっと興奮気味。
というわけでネッドとキャリー渡辺さん等と僕ら小売店の人間は富士見のショートクロカンコースを走ったのですが、あのスローペースでは彼ら(彼女)も歯がゆかったでしょう(^^ゞ
それにしてもこのバイク、もっと突き詰めて乗ってみたかった。来シーズンの目玉でもあるので試乗時間があまり多くなかったのですが、元EPICユーザーとしては、このバイクはリアのサスペンションセッティングをしっかりやらないと本来の乗り味を発揮できないですから。
でも軽かった。

・SX TRAIL 1
せっかく富士見に来たのだから下らないのはもったいない。というわけで下り系バイクと言えるSX TRAIL 1に試乗。
シングルクラウンフォークを採用した前160mm、後170mmストローク。各所に冷間鍛造パーツをおごり強度をしっかり確保。\380,000也。
これも2008モデルとはがらりと変わったので興味津々。
ただ困ったことに私は身長180cm、体重60Kg弱という痩せ形。常々ポジションが大事(卓也からもよく言われます)とは思っているので、ここはLサイズと言いたいところですが、そうするとスプリングレートが高くなってしまうことが予想されたのでMを試乗。
しかしやはり私には小さい。トップが短い。
ま、それでも仕方ないからハンドルバーの向きやレバー位置、サドルの角度などできる範囲で自分好みにセット。とは言えゴンドラの中(10〜15分くらい)でできる範囲で。
それにしてもタイヤの空気が少ないような気がする。エアゲージで測ってみると1.2Kgf/cm2しか入っていない!
これでは正確なインプレッションもできないし、なによりパンクが怖い。
急遽2.2キロにセット。もうゴンドラの中では汗だくでした。
ゴンドラ下りてからサスペンションをいじるも、フロントフォークは明らかに私には硬い。が、コイルスプリングじゃレートを変えることもできないので、プリロード抜いて、減衰力も低めにして…とやれるだけのことはやってみる。
まずはCコース。
おっ、軽い。とは言うもののこれは普段乗っているGIANT GLORY DHとの比較。
フロントフォークはやっぱり私には硬い。ストロークを十分に使えていない。跳ねる。それにタイヤもポンポンまりをつくように跳ね気味。この跳ねはサスペンションの跳ねとは異なりタイヤの跳ねによるもの。タイヤなのかチューブなのかどうもスペシャライズドタイヤはこういう傾向にあるように思う。ちょっと私の好みとは違う。
せっかくなのでもう1本下る。今度はAコース。
またしてもゴンドラ内で空気圧設定。今度は1.9でトライ。
それでもやはり跳ねる。けど、このタイヤは恐らくDHチューブではないと思われ、これ以上下げるのはリスクを伴うと判断しこのまま下り続ける。
やっぱこういうバイクはAコースが楽しいと実感。
そして軽いっていいなぁとも感じました。

・BIG HIT
BIGHITも2009で大きくチェンジ。パッと見はDEMOのよう。
それにしても白いフレームに白サドル、白グリップ、白リムにブルーアルマイトのハブやヘッドパーツはすごくきれい。最初は女性仕様かと思いました。これもMサイズに試乗。
このバイクもタイヤエアが少なく感じ測ったらこれも1..2キロ。またしてもポジション変更と共にポンプアップ。こんなにゴンドラが短く感じたことはありません。
さてこいつはもっと下り系のバイクだからAで評価。
なんとなくSX TRAIL 1よりいいような感じ。パッケージ的には似たようなパーツセレクトだからやはりコンセプトの違いか?細かく見るとサスペンションストロークも違うようだし。
ただこれもフロントフォークは私には硬いし、タイヤも跳ねるのが気になる。当然リアサスだって私にはもっと柔らかいほうが好ましいし…
それにしてもきれいなバイクでした。

SAFIRE FSR EXPERT CARBON
実は初日にMTBを、翌日にロードに試乗したのですが2日目は時間が余ったので再度MTBに試乗したのでした。
仲の良い江東区のサイクルショップよしださん一行が上に上がると言うことで私もご一緒させてもらう。と、おっ吉田さん、XCライダーの竹谷賢二選手を誘っている。他何名かも一緒に下ると言うことで私も。
さてさてバイク…が、ない。MTB出払ってしまっています。せっかくのチャンス、逃すのはもったいないと思い、こうなったら何でもいいと思い乗ったのがSAFIRE FSR。そう、女性仕様のSTUMPJUMPERです。
メインフレームはカーボン、バックはM5アルミで前後120mmストローク。
リアサスはブレイン(と言ってもEPICとは設計が異なる)装備なので、マラソン系はもちろん、山を登って下るにはある意味最適なバイク。
しかしここは富士見。下るだけではこのバイクの本当のおいしいところは体感しづらいはずですが、物は試しと…
今まで男性仕様のMサイズでもトップが短く感じていたのに女性仕様では更に短くなってしまい余計に乗りづらいわけだけど、他にバイクがないのでこれで下る。
それにSX TRAILやBIGHITと比べサスペンションのストロークが少ないから(コンセプトが違いますから)もっと衝撃がダイレクトにくる。でもこのバイクとほとんどストローク量の同じ2003 TREK LIQUIDで富士見を下ったりしている私からすると、ちゃんとセッティングさえ出せればまったく問題なく走れるはずです。
竹谷選手はSX TRAILで下り始めます。それを追います。あれれ?竹谷選手、XC選手のはずがなかなかいい勢いで下ります。「WOO, 楽しい!」とでかい声で叫びながら下っていきます。なかなかお茶目です。
さすがは一流選手、ライン取りもなかなか上手だし、なによりコーナー脱出が上手。
卓也に教えてもらう時によく指摘される「コーナー中間を過ぎたらブレーキレバーから指を離す」を忠実に実践しているようで出口がスムース。
まぁそれにしてもXCスタイルで下り系バイクってのも目立っていました(^^;
まぁ私も似たようなスタイルで下っていたのですが(^^;
だってこの日は私ロードの試乗日だったので(^^ゞ


MTB総評。
ロードに比べもっとセッティングすべき箇所の多いMTB。それをセッティングなしで下っている(と思われる)販売店の方々がほとんど。それで評価できるのか??
それにそのガニ股で下っても(私も凹脚なのであまり言えないけど)抑えが効かないだろう…でもってそのペースで下っても評価云々以前だろうし…
もっとマズかったのは初日のXCコースでの登り。チャンプネッドも一緒に走ってくれると言うのに押していては…
それでお客様になんて報告するのだろう?
と、自分のことは棚に上げて上記のようなことを書いてしまいましたが、セッティングの出ていないバイクでそのバイクを評価しろというのはなかなか酷です。それが正直な感想。
だいたいセッティング出すのってものすごく時間かかる。GLORY DH 3年目の卓也だってまだちょくちょくいじっています。
まぁそこまで言わないまでも、そこそこ乗れるようにするにはやはりじっくりと向かい合わなければならない。
で、思ったのが雑誌記事。
短時間であれだけ多くのバイクを評価していますがホントにわかっているの?
あっ、きっと評価能力に長けていてセッティングもサッと出せるんだろうなぁ。
同様に店頭の試乗車も乗る人にそれなりに合わせなければ本当のおいしいところを体感しづらいだろうなぁとも思いました。
私は可能なのであればもう一度乗ってみたい。その際はぴったり合ったサイズでスプリングレートはもっと下げて、それに合わせてダンパーもセッティングし直して、タイヤは下りなら下り用に履き替えて…等々。ってこれはわがままですが。
でもこのような貴重な体験をさせていただきました、スペシャライズドジャパンさんには大感謝です。
またの機会を期待したいです。


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